人生全体、大きく夢を描くように

覆水盆に返る

先日、DREAM THEATERのオリジナル・ドラマーであるマイク・ポートノイが、2010年に脱退以降、およそ13年ぶりにバンドに復帰することになりました。

マイク・ポートノイ復帰についてのDREAM THEATERのオフィシャル・ステートメント!|BURRN! オンライン:2023.10.26



マイク・マンジーニは、残念ながらバンドを離れることになりましたが、これまでの多大な貢献を讃えつつ、今後のさらなる活躍に期待します。

DREAM THEATER自体、今までのラインナップで長らく安定していましたし、マイク・ポートノイにしても、多くのバンドやプロジェクトに取り組んでいたので、こういうことになるとは、少し意外な感じがしました。

個人的に、そういうことを予期していなかったというか、そういうことも起こり得るのかと、自分の好きなバンドだけに、虚を突かれた思いがしました。

たとえば、IRON MAIDENやJUDAS PRIESTにおいても、ボーカルの脱退→復帰、ギタリストの交代もあったわけですが、その場合でも、そこまでの驚きはありませんでした。

詳しい情報を追っていない、あるいは、今の見えている結果がそうであるといった具合に、細かい経緯ではなく、全体的な成り行きを見ていたのもあるかもしれません。

または、その時期ごとで、バンドメンバーの入れ替わりが多いようであれば(MEGADETHがわかりやすい)、今はそうであるとそれほど深刻に受け止めることもないのでしょう。

ただ、マイク・ポートノイは、バンド全体を引っ張っていき、また、主張の強いキャラクターであるので、一度ヒビが入った関係では、元に戻ることはないのだろうとも思っていたのもあります。

戻る/戻らないではなく、ただそれぞれの道を行くという、それだけのことのように受け止めていました。

2020年以降の流れ

これも、因果なもので、世界的なパンデミック、コロナ禍があったことで、今までの生活スタイルが途切れ、長距離移動が難しい、大勢の人数が集まることが困難である時期が訪れます。

多忙を極めていたそれぞれが、埋まっていたスケジュールは一旦白紙、家にいる時間が長いのが、今回の件では良い方に作用します。

1998年、1999年にアルバムを発表していたLIQUID TENSION EXPERIMENT(ジョン・ペトルーシ、ジョーダン・ルーデス、マイク・ポートノイに、トニー・レヴィンの参加)が、22年ぶりに3枚目のアルバムを発表しました。

最初の時期では、2枚のアルバム制作がきっかけで、ジョーダン・ルーデスがDREAM THEATERに加入したわけですが、今回では、マイク・ポートノイのバンド復帰の布石のひとつとなったわけです。

また、ジョン・ペトルーシの2020年発表のソロ・アルバム『TERMINAL VELOCITY』(15年ぶりの2枚目!)のドラムを、マイク・ポートノイが担当しています。

時間が経つにつれて、また、コロナ禍やアルバム制作などがキッカケで、次第に関係が再構築されていったのでしょう、個別でやり取りしていたものが、バンド単位での話に進んでいきます。

これまでも、決定的に仲違いしていたわけでもありませんが、一緒にいる時間が増え、話し合う機会も増えるようであれば、マイク・ポートノイのバンド復帰も、ない話ではありません。

コロナ禍では、大変なことも多いわけですが、そういうことだけでもない、良い方に向かう機会でもあったのです。

何が幸いするかわからない

私自身、特別何かを固定して考えていたわけでもありませんが、こういう成り行きを目の当たりにすると、考え方の柔軟さを改めて思うものです。

こうでなければいけない、一度離れたものは戻らないと(かすかに)思っていたところ、マイク・ポートノイのバンド復帰で、その思いがひっくり返された思いがしました。

なるほど、過去をスッパリ断ち切るのでもなく、また、あらゆる可能性にフタをすることもない、そういうことを学んだように思います。

これを、自分の身の回りに置き換えても、人との関わり方や、移動の仕方など、工夫の余地はきっと多い、まだ十分にあるということなのでしょう。

これが、新たに関わる人が増えても良いのだし、また、これまでに関わった人に連絡を取るのでも良いのでしょう。

確かに、2020年あたりを境に、物事の常識みたいなのが変わった部分もいくらかありますが、変に小さく縮まる必要もないし、制約ばかりをかけても仕方がないわけです。

逆に、自分はこうしたい!こうなると良いなと思うことを多く挙げていくと、そこからはじまる何かもあるはずです。

もしも、お金や時間に不自由しないようであれば、"本当に"自分のしたいことは何なのか?そうやって、自らに問いかけるのです。

「人生全体、夢劇場」、DREAM THEATERの今後の動向に注目しながら、私たち自身の人生もより花咲くようでいきましょう。

では、また。