伝えることの素晴らしさ

 

自分の思ったり、感じたりしていることを、

いかに過不足なく伝えることができるのか、

内容がどんなものであれ、そこに尽きる気がします。

 

たとえば、同じ言葉や表現を用いるとしても、

それによって思い浮かべる意味や内容が異なれば、

伝わる度合いが変化することになってしまうので、

会話がかみ合っているようで、実はそうでないというように、

当人同士が気がつかないなんてこともあるでしょう。

 

"長い距離をひたすら歩く"という場合を考えてみると、

ある人にとっては、10kmくらいのことかもしれないし、

また別の人にとっては、1,000kmくらいなのかもしれません。

 

ここでは、"長い"の感覚が人によって異なるのが歴然としているので、

もしも、長さをできるだけ正確に伝えたいと思っているならば、

具体的な数値で表すなり、皇居何周分のように表したりするのが、

同じ感覚を共有するのに、手っ取り早いということになります。

 

それでも、世界を飛び回っているような人と、

東京23区内で収まっている人を比べてみれば、

距離に対する、そもそもの感覚が異なっているのは、

どうしても否めないところではあります。

 

そうなると、どれだけ同じような前提に立っていられるか、

あるいは、お互いの前提がどのようなものかを知り合うか、

どちらかをやっておくのが、速やかな理解へとつながることでしょう。

 

あとは、最近日増しに強く感じることのひとつに、

関わる仕事や趣味の分野によって、言葉や感覚が異なるのだなと、

同じ日本国内で暮らしていたとしてもあるのだなというのがあります。

 

少し専門的に取り上げてみると、平らな机の大きさを示すのに、

"2×6(ニロク)"とか"3×6(サブロク)"とか言えば、

自分自身は、「なるほど、あのサイズのものね」となります。

 

わからない人からしてみれば、あの制汗スプレーは"8×4"だし、

建築の何かは"2×4"だしなと、疑問に思うこと甚だしいことでしょう。

 

正解は、尺貫法にならった呼び方なので、

1尺=約30cmなので、"ニロク"は60×180cmの大きさ、

"サブロク"は、90×180cmのものになります。

 

こういう専門的な言葉や符丁みたいなものは、

知っているかどうかの差になることが多いので、

知れば解決することが大半だと思いますが、

自分の気持ちや思いを伝えることの方がずっと困難でしょう。

 

これはもう小手先の技術や知識だけではどうにもならなく、

あるがままをそのままに伝える誠意なり、情熱なのだなと思います。

 

それだけに、伝わりきった時の喜びはひとしお、

それが多く味わえるようになっていきたいものですね☆