手紙の効用とは

 

今はメールやらLINEなど、何かしらメッセージを送ろうと思えば楽にできるわけで、そうなると余計に手書きの手紙というものは少なくなっています。

近年では、年賀状のやり取りも少なくなってきていて、年に一度のやり取りすらしないという人も多いのではないでしょうか。

こういう手紙を書くということは、周りの誰もが手紙を書かないから古いものだとか、すでに廃れた習慣であるのでしょうか?

おそらくはそういうことでなく、むしろ、そういう過去のもの(に見える)であるがゆえに手紙を送ることの効用があるというものです。

自分が手書きで何かを書くことがほとんどないけれど、誰かからの手紙をもらって嬉しいことを思い浮かべると、新しい/古いの話ではなくて、もっと本質的なことを表しているように思います。

生活でも仕事でも、用件を伝えるだけであれば、そういう画面上に映った字面で良いのでしょうが、それならば以前でも電報という手段があったわけです。

あるいは、早く伝えようとするのであれば、電話を使えば済む話で、これは今も変わりなくあります。

それに加えて、手書きの手紙を書くということは、少し事情が異なっていて、送る相手のことをより鮮やかに思い浮かべながら、一文字ずつを書いているように思います。

そこでは、目に見えるとか耳に聞こえるメッセージの内容以上に、気持ちが乗っていて、こういうことを"ないがしろ"にしてはいけない気がします。

これは、生活においてもそうですが、仕事においても、最終的には人と人とのやり取りですから、いつも情にほだされるわけではないものの、それとなく胸に響くものはあるはずです。

街中を見ていても、手書きの看板やポスターなど、ほとんど見ることはないので、そうなると、小さな定食屋の張り紙みたいなものに安堵を覚えることすらあるものです。

今も、連絡が遠ざかっているような人の顔が浮かぶようでしたら、または、また連絡を取ってみたいと思う人がいるのならば、一度手書きの手紙を書いてみるのはいかがでしょうか?

そのためには、送り先の住所を知らなくてはいけないとは思いますが、それは周囲の協力や知り合いの知り合いなど、どうにか伝手をたどって、知ると良いかと思います。

それもまた、連絡を取る口実として、今は少し離れている人と交流を深めていただけたら幸いです☆