混沌のうちに

 

いつの世もいつの時代も、"これで良い、十分"ということはなく、何か新しいものであるとか、何か別のものを追い求めているように思います。

いつも過渡期であると思えば、移り変わっていくのが当たり前とも言えるわけですが、今の世界は果たしてその方向にあるのかどうか、どうにも定かではないところもある気がします。

何を目指して良いかわからない、何を目指すのが妥当なのかもわかっていないとあれば、行き先不明、進んではいるかもしれないけれど、足取りは不案内ということになります。

人の多いところに行けば、それぞれ思う格好をしたり、好きに行動したりしているわけですが、何となくまとまりがないというか、行き場のないエネルギーを抱えているように思います。

個人においてもそうですし、街とか地域とかもそうで、何に向かっているわけでもなく、何を目指しているわけでもない、それは一部に確かにあるものでしょう。

価値観が多様化していて、それがバラバラにあるだけ、そういう意味では、人によっては思いあぐねるとか手をこまねいているのも腑に落ちるところです。

それを比較するように思う時、ただ秩序のない「無秩序」と、いろいろなものがごちゃ混ぜになっている「混沌」とでは、一見して見える様子は同じかもしれないけれど、しばらく見るには随分と異なるもののように思います。

今は前者の様子が強いように思え、ともすれば自分さえよければ良いとか、周りにいる人やモノに関心をさほど持たないとか、視野が狭くなっているかもしれません。

どちらかと言えば「混沌」ある方が望ましく、得体の知れないエネルギーをかき混ぜていくうちに、それが新たな何か、次なる何かを生み出していくように思います。

それが個人においてもそうするし、親しい人、周りの人などを巻き込んでいくというのが、より強力にエネルギーをかき混ぜることができるようになるはずです。

抵抗が大きいとかき混ぜるのも容易ではありませんが、そういう手強いものを相手にすることで、より膨大なものを得るような気がします。

薄まった何かを、いつまでもかき混ぜたところで何も生じることはありませんし、それこそ徒労で終わってしまうかもしれません。

自分の中にあるものも混沌としていながら、それはモヤモヤと思うかもしれないけれど、それをキッカケに目の前のことをひとつひとつ打破していきたいものです☆