長い話

 

シンプルなタイトルとは裏腹に、今回は「長い話」にまつわることを取り上げてみようと思います。

単純に考えれば、長い話というのは、話す時間において長いということになりますが、この話が長いのと冗長なのとでは、いささか趣を異にすることを明らかにしておきたいところです。

聞いていて飽きない話というのは、起承転結がしっかりしているとか、次の展開が気になってしまうとか、いくつもの工夫が施されていることとに加えて、聞いているこちらとしても、いつの間にか興味を持って耳を傾けているということがあるでしょう。

この"話"が、講演とかスピーチでも構わないし、映画でも小説でも良いわけですが、夢中になっていたり、のめり込んでいたりするのであれば、時間の長さが念頭から離れて、内容に意識が向いているということになります。

長い時間を有効に使えるのであれば、いろいろ盛り込んでいくこともできるし、事例や比喩などを駆使して、よりわかりやすいようにもできるでしょう。

逆に、冗長だなと感じる、時間のことばかり気になるようでは、何かしら話す内容に問題があると言えそうです。

説教や小言でもそうかもしれませんし、酒席での自慢話や愚痴のようなものが、それに当てはまることが多いかもしれません。

(慣れても困りますが)不慣れな話し手自身の、話しているうちに何を言っているのかがわからなくなる(=話の迷子になる)、多少の表現は異なっても同じ話でループしているようなことがあると、聞いている方としては、内容以外のところで気になっている状態になります。

余談ですが、回を重ねるうちに多様な表現が身について洗練されるとか、話しているうちに的を射た表現が出てくるとか、繰り返すことで出てくる巧みさがあるのが悩ましいところです。

それが脚本や原稿であれば書き直すうちにより良くなっていくので、こちらは諸手を挙げて歓迎すべきところです。

こちらの場合では、スープや煮物をぐるぐるかき混ぜながらコトコトと煮込むようなもので、じっくりとやっていくことが大切かなと思います。

また、単純な時間の長さだけにとらわれないようにして、伝えたい要点を外さないという視点も忘れないでいたいところです☆