寄り道をしているうちに、そちらの方がメインになってしまうような、そういうことって結構あると思います。
何事も一直線にすんなりとコトが進めば良いのですが、最短距離を最速で駆け抜けることはなかなかできないものです。
自分の得意なことや憧れていることと、周りの人からの評価や期待にしても、必ずしもピッタリと重なっていることは少ないようにも思います。
あるいは、"理想と現実"の乖離の話でないけれど、思うことが文字通りそのまま実際に反映するということもないように思います。
いずれにしても、良いこともそうでないことも予想通りにはいかないものですし、予想をはるかに越えるということもあるかもしれません。
もう少し具体的に考えてみると、役者を目指していたけれど、演出家として名を馳せるとか、絵描きなんだけれど、歌い手として広く活躍するように、自分の思いとはまた別の、あるいは思いもしなかった展開が待ち受けている場合があります。
これは、出会いやそのタイミングみたいなこともあるでしょうし、自分の得意なこと・力を発揮できることが意外なところにあるということもあるでしょう。
その例で思い浮かべるのが、マイケル・アモットがCARCASSを脱退した後、SPIRITUAL BEGGARSをメインのバンドで、ARCH ENEMYをサイド・プロジェクトで考えていたところ、(当初は特に日本の)思わぬ反響の大きさから、その位置づけが入れ替わったということがあります。
そこで、何が何でも自分の思い通りにしていけるように、どこか頑なになってしまう、そういうこだわりもないよりかはあった方が良いですが、柔軟に考えるというのも一方では大切かなと思います。
このあたりを掘り下げていくと、「目的と手段」の切り分け方にも続いていくことでしょうが、マイケル・アモットの例で考えると、どのバンドが軌道に乗るかというのも大切ですが、ギターを存分にプレイして、ミュージシャンとしてしっかり活動できる状況を固めるということを優先した方が良いというとらえ方になります。
そのためにも、多くのアイディアを出しながら世に問うていく姿勢が求められますし、ひょんなことから「自分の道」となっていくようなもの、それは自分の脳裏にあるわけでなく、どこかからもたらされるものなのかもしれません。
それもまた、自分自身が何かを熱望し、懸命に取り組んでいくことで、不意にどこかしら道が拓けるとか、何かしらの扉が開くようになっていくのだと考えられます。
自分の思い通りにならない、しかし、それ以上の"とてつもなく良きもの"が訪れると思って、諸々のことに取り組んでいけたら良いなと思います☆