さらさら流れる

 

人それなりの長さを生きるようになれば、何度も季節が巡るのを見るように、思い出もまたそれなりに積み重なってくるものです。

時に、あの時はこうだった、この時はどうだみたいに振り返ることもありますが、いくらありありと思い描いたところでその時には戻ることは決してないものです。

何かの事情のために、会いたい人に会えるとも限らないし、状況もどんどん推移していくために、かなうことばかりでもない気がします。

また、良い思い出は色褪せないようにしておきたいものですが、それでも時間の経過にどれくらい耐え得るのか、なかなか心許ないところでもあります。

自分にとって、あの時は必死に取り組んでいたものだ、そんな記憶は今もなお勇気と決意をもたらしてくれるものですが、もっと大切なのはこれからのことですし、今のここからどう取り組むか、ここが肝心のところだなと思います。

アルバムをめくって、ありし日のことを思うのも良い、それに加えて、新たな一枚、新たなページが増えていくようにするのが良いでしょう。

これも表現が難しいのですが、決して過去のことをなかったことにするのではないし、軽んじるものでもない。

それでも、より思いを傾けるのを今とこれからにしてみると、また展開するものも異なってくるように思うので、こういうことを取り上げているわけです。

多くの場合、実際にどうだったということがあるために、これまでのことを参照してしまうものですが、これまでがそうだったから今後もそうでなければいけないということでもないし、ここから行き先のポイントを切り替えても良いわけです。

財布の中身でも、自分の力量でも、ここからの取り組み次第では増えたり広がったりするために、自分の考え方のクセを知って、行きたい方向に行くにはどうすれば良いのか、それを知るのが賢明であるように思います。

もっと言えば、上手くコトが進んでも、たとえそうでなくても、ほとんどを「水に流す」ということで、それで十分ではないかという気もします。

何もかもをリセットする=なかったことにすることはできないものですが、自分の気持ちや考え方はいかようにも変えられる、そういう柔軟性と未来への希望を携えるようにしていけたら良いなと思います☆