その目で見ること

 

たとえば音楽で、インターネット配信や動画サイトで楽曲や演奏を見聞きすることは多くできるし、CDやDVDなどの媒体を通して楽しむこともできます。

最近ではその種類や量の豊富さもあって、ともすれば、自分がどこにいても"いつでも"楽しむことができるのかもしれないと思うものです。

その手軽さや便利さゆえに、今の傾向はもっと強烈にうながされることでしょう。

ただ、少しクリックすれば、相当な情報をインターネット経由で知ることができる一方で、その場所に行かないとわからないこともまた相当に多いものです。

人とのやり取りもそうですし、大切なことは決して多く出回らないのもまた事実であるものです。

その場所に行く、自分の目や耳で直に触れるということによってわかることは多いし、自分の体験として得ることの多さを知るものです。

あるいは、今・ここで何を思ったり、感じたりしているのか、頭で考えるだけでなく、カラダ全体で知るような感覚を持つわけです。

演劇・ドラマにおいては、テレビ用の見せ方と舞台用の見せ方では、表情を強調するのか、全身で表現するのかといった差異があるそうです。

テレビはお茶の間で楽しむ、演劇は劇場や舞台で鑑賞するという特徴が、その見せ方とあいまって影響を及ぼしているということでもあるのでしょう。

確かに、大きい会場であったり、遠くに眺めているようであったりすれば、画面を通じて見る方がかえって身近に感じるのかもしれません。

それでも、一緒の空間にいるだとか、多くの人の中にいるだとかして、そこでしか味わえない臨場感を知るのも良いものです。

行く道中だとかその前後も含めて、手間はかかるかもしれないけれど、記憶には強く刻まれることでしょう。

これが、旅行にしても食事にしても同じで、今は事前に情報を集めようと思えば、何かと知ることができてしまいますが、自分の体験においてどうなのかを大切にしたいところです。

そこに足を運ぶということもそうですし、その時だから感じることも多くあって、そういう機会をいくつ設けることができるのか、それも意識していきたいことのひとつです。

また、時間が巻き戻しができないように、自分の体験においても繰り返しやリセットはしにくい・できないものですが、それゆえにいろいろな機会に立ち会っておくことが良いように思います☆