どのような態度で臨む

 

何とはなしに良いものはないかと思って本のタイトルを見ていると、時に、読み手を煽るようなものが意外と多いように思います。

たとえば、「こういう仕事の仕方はダメだ」とか、「何々なやり方では上手くいかない」式の、ある意味ではインパクトがあって、つい手に取ってしまいそうな種類のものです。

こういうものは、先に失敗の例や好ましくないものを持ってきて、ならばこうすると良いですよと、優しく提案しているのかもしれませんが、果たして後に出てくる例が良いものとも限りません。

相対的には、良いものが浮かび上がっているのかもしれませんが、高さ自体があまり出ていないこともあるかもしれません。

ただでさえ日本においては、失敗の方を取り沙汰する"減点方式"の発想が根強いので、お互いに足を引っ張りかねない状況になってしまいます。

表現においても、先に黒いものを持ってきて、次に白いものを持ってきた方が、対比のコントラストが目立つので、ついそういう手法を取ってしまいがちです。

これが、映画や音楽、絵画などの芸術やアートの表現においては効果的なのかもしれませんが、普段のモノの考え方や習慣においては、少し異なるようにした方が良いように思います。

水たまりがあったら、「そこに飛び込むと濡れるよ(だから、気をつけなさい)」と言うばかりでなく、「水たまりを見たら、それを迂回するようにして歩くと濡れないよ」といった具合に言うのが良いかもしれません。

それを、具体的な指示として読み解くか、危険やリスクの回避と受け取るのか、解釈の角度はいくつかありそうですが、いずれにしても、物言いとしては、すーっと心に染み込んでくるような言い方であるように思います。

あるいは、何かに取り組んでいる時に、「ここは上手にできたけれど、こうすると"もっと"上手にやれますよ」と言われた方が、今やったことをさらに改良しようと、前向きのやる気が出てきます。

あまりインパクトのあるものは、食べ物の調味料をふんだんに入れたり、香辛料を大量にまぶすようなことに似て、本来ある食材の味わいを打ち消してしまうかもしれません。

一見すると目立たないかもしれませんが、しっかりと栄養はあるし、しっかりと自らの血肉となるようなやり方や考え方を、取り入れていけたら良いなと思います☆