ひとつの季節が過ぎていき

 

個人的には、大規模な花火大会をあまり好まないせいか、

それは、人の多いことが得意でないことによるのか、

夏の風物詩を、ひとつ取り上げ損ねるところでした。

 

以前、別の用事で浅草に行った日がちょうどその日で、

身動きが取れなかったという記憶が、今も鮮やかに残っています。

 

今年も、浴衣姿で河原なのか、会場付近に行ったり、

あるいは、少し遠くても見えるところに集まったりして、

花火の夜空に咲くのを楽しんだ方も多いことでしょう。

 

会場整理をする警察、軒を連ねる屋台など、

夕方になって、少しずつ日が暮れていきながら、

いつもと異なる感じで、時間が近づいていく様子は、

これから起こることへの期待も高まってくるものです。

 

花火の表現の多様さや、技術の精巧さは、

日本の誇るべき文化であり、高い技術だなと思います。

 

その意味では、花火職人の特集をしている方が、

どちらかというと、興味を持つのはあるかもしれません。

 

また、打ち上げ花火の迫力のある様子も良いですが、

手元でやる線香花火の、チリチリと弾ける様子の方が、

風情をより一層感じるような気がします。

 

"はかない"と言えばそれだけの、終わってしまえばそれだけの…、

少し感傷的な気持ちになるのを好むのがあるかもしれません。

 

これは、線香花火に限った話ではなくて、

その渦中にいる時には、最初から余韻に浸るようなことはなく、

振り返ってみてわかるということが多々あります。

 

後悔とも反省とも異なる、感傷的な気持ちになることで、

翻っては、今の今にどれだけ熱中していけるのか、

それが結局のところ、大切なことのように思いますし、

そのための仕掛けとしても考えているのかもしれません。

 

懐かしいと思いながら、その時なりの精一杯があって、

何かしら直面する状況や課題に挑んでいたことがあると思います。

 

あの時の精一杯に恥じないように、今はまた別の精一杯で、

前に進んでいこうという気持ちもあるものですから、

行きつ戻りつ、それでも前を向くことを忘れてはなりません。

 

終わってしまえば、すべては無に帰すだけなのだとしても、

記憶やその時の気持ちは、鮮明に覚えていることのように思います。

 

そうして、自分なりの歩みが続いていくことが、

今後も長く続いていくための足がかりにもなっていきそうです。

 

映画のエンドロールも、本編の作品があってこそ、

そういうことの順番を取り間違えないようにしたいものです☆