一瞬のぶつかりと火花

 

相撲の立ち会いにおいては、

ともに100kgを越える体重の持ち主が、

正面からぶつかり合うことで、

お互いに、大きな力を出すことができています。

 

それが、どれくらいの衝撃なのかで言えば、

立ち会い全体でかかるのは2t(2000kg)にもなるそうで、

感覚的には、コンクリートの壁に向かって走りながら、

思い切りぶつかるのに近いと聞いたことがあります。

 

その衝撃の大きさに驚くこともさることながら、

ひとりで、壁にぶつかるだけではでない力もあって、

ふたりでやるから、そこまでの力が出るとも考えられます。

 

たとえば、テニスのラリーにしてもそうで、

実際の試合では、緩急つけたり、コースを変えたりしますが、

球の持つスピードや威力を考えると、

相手の力を利用しつつ、自分の力に変えている部分もあります。

 

これが、ひとりで壁打ちしているだけでは、

自分の打った力から、壁に当たる時に使う力を引いて、

それでまた戻ってくるだけになるので、

どうしても、弱まってしまうように思います。

 

そうして、お互いが拮抗しながら持てる力を出していくことで、

負けまいと思うほどに、いつも以上に力が出てくるとか、

思いも寄らない力だって湧いてくるかもしれません。

 

これは普段の生活においてもあり得るようなことで、

意見を交わしていくとか、議論を重ねていくような時にでも、

自分ひとりで考えているだけでは、

それがどれくらい的を射ているものなのか、

あるいは、どれくらい通用するのかということが、

どうしても判断がつかないことが多いように思います。

 

自分以外に、ひとりでもふたりでもいれば、

お互いの意見がどれくらい妥当なのかもわかってくるし、

場合によっては、もっと良い発想が浮かんでくるかもしれません。

 

運動においても、生活においても、

自分の力はこれくらいかなと、思い込んで決めていることも、

人によっては多いのかもしれませんが、

自分の思い込みの意識とは別に、脳みその本来の機能として、

随分と手前の方で、限界を定めてしまっているそうです。

 

そこには、生命の安全みたいな理由もあるのでしょうが、

必要に応じながら、限界を引き延ばすような試みや、

もとより限界を定めないようにすることで、

自分の能力が開花していくように思います。

 

そのためにも、人と関わって高みを目指す、

その心がけも大切にしていきたいものです☆