本でも映画でも、音楽レコード・CDでも、
数え切れない、膨大な数が世に出ていますが、
誰かにそのうちの"ひとつ"をお勧めするような時、
果たして、"ひとつ"に絞りきれるかどうかの懸念があります。
最旬での話題になっているかどうか、自分が面白いと思うかどうか、
それもまた、確かな選び方のひとつでしょうが、
入れ込んでいたらそれだけの年数や積み重ねがあるのであって、
その時期ごとや、テーマによってのものがあって、
結構、頭をひねらないとできないことのように思います。
また、自分にとっては非常に有益ではあったけれど、
その相手にとってはどうなのかという、
タイミングをも合わせた視点も必要かもしれません。
そのようにして、少し考えてみるだけでも、
条件と言っては、小難しくなってしまいますが、
いろいろなことを考えながらやる必要はあるので、
その意味では、取り組みがいのある問いかけのような気がします。
「もしも無人島に持っていくとしたら…」にも似ているし、
「これまでに影響を受けた…」のような場合もあるでしょう。
そして、どうしても"ひとつ"に絞りきれないようでしたら、
上位5つを挙げてみると、網羅できる範囲が広がるので、
それで、自分の人となりや考えたり好んだりする傾向みたいなものは、
それらを通じて、伝わることが多くなりそうです。
それでも、気分によってだったり、置かれた状況だったり、
その時ごとのテンションに影響を受けることもあるでしょうから、
その時点ではそうであると、余白を少し持っておくと良いでしょうね。
これまでを振り返って、そこで選ぶも良し、
これから出会うものに思いを馳せるも良し、
順次、目の前にするものを堪能すると同時に、
究極の"ひとつ"を追い求めるのも良いかもしれません。
そうして、またたくさんのものに触れていくうちに、
結局のところは、あれも良い、また別のも良いとなって、
余計に、候補が多くなることもあるでしょう。
それはそれで何とかするとして、
より多くのものに触れるというのは、
自分自身の、人としての厚みや幅になるので、
目的と結果の異なる、嬉しい誤算ともなる気がします。
そうして、数え切れない、膨大な数の中に飛び込んでいれば、
自然と得意や好みも、傾向としてつかめてくるし、
苦手なところも、塗りつぶしていけるようになるかもしれません。
当初は、誰かにお勧めしようとしてはじめたことが、
意外に、自分のことがわかるきっかけになるのが興味深いところです☆