不規則にも慣れるように

 

今はもう引退してしまいましたが、

ハンマー投げ室伏広治選手の、現役当時の練習の様子が、

テレビで紹介されているのを見たことがあって、

印象に残ったひとつとして、筋肉への刺激を変えるため、

新聞紙を握って、握力を鍛えるというのがありました。

 

通常は、グーパーグーパーと手のひらを開いたり閉じたりして、

あるいは、握るため用の器具を用いたりしてやることが多いですが、

それはある意味、規則的な動きであるため、単調な繰り返しになり、

より実践的であるためには、また別の工夫をする必要があります。

 

人間の動きはもっと複雑であるし、競技においても同様で、

いくつかの身体の部位を連動させていくことが大半なので、

練習の段階から、より実践的な動きをしていくのが、

良いパフォーマンスにつながるという具合になります。

 

筋力トレーニングでも、人を担ぐのもそうですし、

たとえば、ベンチプレスにおいてもプレートだけでなく、

両脇にチェーンを垂れるようにぶら下げて、

その揺れ具合で重さのかかり具合が変わっていくのが、

近年、かなり取り入れられているように思います。

 

外側の筋肉を大きくする、発達させるのも大切ですが、

こういう不規則な動きを取り入れることによって、

内側のも合わせて、強化できるのはあるかもしれません。

 

そのように考えていくと、競技の練習もそうですし、

筋力トレーニングにおいても、時期や時代によって、

有効と考えられる方法や考え方が変わっていくのがあります。

 

最終的な完成形がないということでもありますが、

逆に、それだけ人間の能力開発の部分では、

可能性がまだまだ秘められているということなのでしょう。

 

このあたりの領域を考えるのも面白いものですが、

それはまた別に機会に徐々にやっていくとして、

先の、方法や考え方が変わっていくように、

競技もそうですし、物事のルールも変わっていくものだなと思います。

 

社会や共同体、その他のいろいろで、

大筋で守るべきルールは、大きくは変わらないものですが、

実際、それをルール化して、運用していくことで、

詳細の部分で変えていく必要が、少なからず出てくるものです。

 

そうすると、いつも同じであることはそうそうなく、

一定の振り幅を持って、変わっていくことがわかります。

 

つまり、多くの時間が経てば、ルールは変わっていきますし、

活躍や貢献の多さによっては、影響力を伴って、

自らもルールを変えていくことができるかもしれない。

 

もしも、そういうのをひっくり返せたら、極めて痛快ですね☆